MOTHER-44話 まいどあり


地が逆さま
 ある研究者が北海道の先住民族アイヌの伝統的住居、チセにて宿泊体験をしたところ、火を焚くほどに周囲の雪は解け、上昇気流によって外気が流れ込み、到底耐えられない寒さであったといいます。調査したところ原因は大地への蓄熱にあったとのことです。
 地中の温度は夏と冬が逆転しており、アイヌは半年かかって染み入った夏の熱量を使うことで冬の快適な住環境を保っていたようです。彼らは夏の間も火を絶やさないことで、緩やかな燃焼で過ごせる冬を過ごしていたと。
 さて足下には同じ冬に(おそらく)震えている(おそらく)人間が住む軽量鉄骨の集合住宅に居住しております。せめてマットレスからの放熱を軽減できるよう毛布を最下層に配置した寝床で朝を迎えます。すっかり放熱してしまった室温に、火力発電を経て動力を得たエアコンの暖気を送り込み、熱量を投下します。すぐに室温はあがり、空気は乾き、布団は温かいのです。(2016.12.27)

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