MOTHER-139話 エピローグ1ユートピア

幼きモノへの書簡2

−苦しむのは誰?
私です。
−苦しむのは何故?
私が「私」を認識するからです。痛む、蔑まれる、憎む私を私が観測し、生み出すからです。ここまでは分かっています。
−ここまでとは?
だから「私」を無くせば良いのでしょう。「私」が全ての苦しみの元凶です。私はこの執着を無くす方法を知りたいのです。一体どうすればいいのでしょう。
−座りなさい。
座禅ですか。これで悟りを得られるのですか。
−立ちなさい。
?立っても良いのですか。・・・座ることだけが座禅ではないということですか。
−生きなさい。
全てが、悟りであり、禅なのですか。
手段と目的が音も立てず。一つに。
−私はどこに?
今。ここに。なるほど。
では、こんな苦しみは、もう終わりですか?
−いや。ずっと続くよ?
・・・そうですか。
−どうするの?
歩みます。冬のバイソンが雪に埋もれた段ボール紙ほどの栄養価の草を食むように。(2018.11.20)

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