デジタル器官
長らくＰＣだけで作画作業をしていると、恐るべき自動化の末に、あたかも身体が機械化したかのような現象が起こります。先日久方振りに紙とペンで絵を描くことがあったのですが、書き損じた際に「ととんっ」と中指と人差し指でテーブルの端をたたき、はっと我にかえりました。デジタル作画をされる方ならわかるかもしれませんが、ＰＣのキーボードでCtrlキーとＺキーを押す「やり直し」のショートカットを無意識のうちに押していたのです。「現実世界にリセットを求める危険なゲーム脳」とは一昔前にもてはやされ、すでに影を潜めた言説ではありますが、事ここに至ってはその指摘は全く的外れではないのかもしれません。
散歩中、街路樹に触れ、その葉を子細に見ると「うわぁ。どこまでもズームできる。」と無限の解像度に改めて感嘆いたしましたが、何よりそのような驚きをもつことに驚きを禁じえません。(2016.10.11)
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