MOTHER-70話 転嫁

事実は小説よりも離るなり
 物語るにおいて、事象と事象をどこまで近づけるかが悩みどころです。大雑把な例示ですが
雨が降る→泣き出す
と意味不明ですが、
雨が降る→過去を思い出す→泣き出す
と中間地点を設けることで、個別の事象は筋の通ったストーリーとして理解されます。ただ、あまりにも間を埋めすぎてしまうと説明過多となり、テンポが悪く進行が遅くなってしまいます。
 時に現実の事象は、観測する人間を想定せず、理解させる気もなく降りかかるように見受けられます。
人生の開始画面で難易度ハードモードを選択したとしか思えない友人が
「取引先とカレーを食べて店を出たのは覚えている。酒は飲んでいなかった。だがなぜか意識を失い、気が付くと山の中にいた。1時間歩いてひとけのある場所でタクシーを拾って帰った。意味わからん。原因も不明だ」
と語るのを、まったく不親切なストーリーだと思いつつ相槌を打ちます。(2017.06.27)

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