お釣り
お世話になっている美容師様は一児の父で、店舗経営や子育ての傍ら、趣味の時間を大切にされます。以前釣りに熱中していたらしく、釣りの魅力を語るには
「友人と釣り場まで行きますが、常に会話をしているわけではありません。各自スポットで竿をたらせば、海へ差向うのみです。ただ波間にゆれる浮きを見続けます。」とのことです。
ないがしろにされがちな人間活動「ボーッとする」時間を最も効率よく摂取できるように思われ、釣りの始め方を教わりました。
それから３日後の早朝、一人堤防から仕掛けを投げ、竿から伸びる糸で海底の起伏を指先に感じれば、F分の１にゆれる波に純度の高い「ボーッ」を得ました。
釣りあげた白身魚は、バケツの中で朝日を受けウロコを散らしました。知識と道具で現実にハッキングしたかのごとく、世界へ呼びかけ応えを得たのだと身勝手な自信を保証されたように感じられました。１匹だけですが。(2018.06.19)
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