MOTHER-67話 犠牲

具現化への資本投下
 近くに著名な建築家の建造物が建ち、知人が「建築家自身の構想を形にするのに十分な予算を付けてもらえたのだろう。」と半ば皮肉めいて呟きました。多くのプロジェクトが予算との兼ね合いで仕様を削ることを考えると、確かに無限の予算を与えられることはよほど特殊な事情に思われます。
 さて、拙作においての無限の予算を妄想いたしましたが…あまり意味はないように思われます。「どれだけお金をかけてもいい。早く(or多く)描いてくれ」との申し出があったところで、どのように資本を投下されても、制作速度や内容に大きな変化をもたらせるように思えません。お手伝い様が増えたとしても作業の基となるネーム原稿は量産できず、生活にかける一切を外注するので漫画のことだけ考えればよいと言われれば早晩発狂するでしょうし。
 つきましては数億円の事業となる構想を生み出す建築家の度量にひれ伏すばかりです。(2017.06.06)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です