フラジールライン
画面上に透明なグラスが現れると、常に頭の隅でその行き先を追い、いつか壊れるのではないかと不安を覚えます。どうやら一定の値を超えたものを「壊れるもの」、それ以下を「壊れないもの」として認識する水準があるように思われ、個人的にそれをフラジール(脆弱性)ラインと呼称しております。フラジールラインは作品鑑賞外でも存在し、常に変化いたします。
先日久方振りにハイキングへ行き、現実の巨岩にしがみつきました。長らく漫画や映画で容易く砕かれる場面を見ていたため、実際はこんなに硬く重いものだったかと、フラジールラインの改定をいたしました。
またこの峻別を人間関係に適用するならば、尽くしすぎる礼節はフラジールラインの高めすぎ、いかに構築された関係性も「壊れるもの」との認識を顕します。徐々に信頼を深め、非破壊の安心を内外に示していきたいものです。(2016.10.04)
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