動詞にてlastです。意味するところは「続きます」。
月下の花
持ち帰られた月の石が人工光に照らされ、展示され衆目に晒されます。そこに映し出されるのは「そこにある石」である以上に、持ち運ばれなかった石が今も月として夜を照らしているという不在の存在感にあるように思われます。
現地点「ここ」から確率は分岐して伸び、選択した光が一つの支流を選んで流れます。その流れの先に宝物を持ち帰る英雄譚を語るならば、試練を乗り越え、光る道のいかに輝くかを丹念に語るのでしょう。よって英雄的行為だと。
ただ、個人的に注目したいのは選ばれなかった支流にございます。選ばれなかった未来の、存在しなかった道の先にも宝物はあったのでしょう。あるいは辿りつかず仮説さえされぬままに咲く暗い花として。光の道を物語るとしても、非存在の草原で月の光を受け枯れ続ける花を、説かずに感じて頂ければ幸いです。(2018.03.13)
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