個性の孤性
倫理感や道徳は個人の指針を定め、自己像を保つのに必要ではあるのですが、ともすれば無暗に他者に適用しようとしてしまい厄介な圧力となります。他者からの共感は快楽を以て迎えられ、「のってるかい?」「イエーイ」のごとき恍惚を得ようと、無意識に誰彼構わず擦り付ける危険に注意が必要です。
物語上の登場人物であっても、それを尊重し、あるべき執着へ導かれるには細心の注意が必要であると、再確認いたしました。彼女の自立の先には、広く受け入れられるような「社会性」が欠落している行き先へ向かうとしても。
読書反応文:『コンビニ人間』
ああ。風が吹きます。舟に帆を張って進みましょう。
―やめろ!
なぜですか。波に風に乗れば「先」は拓けます。安寧があります。
―それは修正の風だ!そこに未来はない
どうすればいいのでしょう
―知れたこと!舵をとれ!
(2017.11.28)
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